胃ポリープについてABOUT
ポリープというのは正式な病名ではなく、消化管粘膜に生じるいぼ状の突起物のことで、場合によっては治療が必要ないものもあります。胃ポリープと過形成性ポリープの2種類に分類されます。
胃ポリープと胃がん
がん細胞とは、体内の新陳代謝の中で生まれる異常な細胞のことを指します。正常な細胞かがん細胞か見分けるためには、胃カメラ検査で疑わしい病変の組織採取を行うことで、確定診断が可能です。過形成性ポリープであれば、この検査でがん細胞かどうかが判別可能です。
胃ポリープの原因SCREENING
胃底腺ポリープ
胃底腺ポリープとは、ピロリ菌に感染していない胃で生じやすいポリープのことです。胃粘膜の中には胃底腺という組織が存在し、胃底腺が肥大化して膨張したものが胃底腺ポリープと呼ばれています。胃底腺ポリープは、正常な組織が膨張したものですので、病気には該当せず、将来的にがん化することもないと考えられています。また、胃底腺ポリープはつるつるしたボールのような形状をしており、胃カメラ検査の際に容易に見つけることができます。
過形成性ポリープ
ピロリ菌に感染している胃で生じやすいポリープで、赤く腐敗したいちごのような見た目をしています。胃粘膜の損傷・修復が何度も起こると細胞の一部が異常に増えてポリープへと変性し、がん化する恐れもあります。ピロリ菌の除菌によってポリープの縮小、消滅が起こることもあります。
胃ポリープの検査SCREENING
確定診断には胃カメラ検査が不可欠です。胃バリウム検査も選択肢としてありますが、ポリープのサイズや発生場所によっては診断できないこともあります。 胃カメラ検査では、胃粘膜の状態を直接観察し、疑わしい病変は組織採取して生検を行うこともできます。
胃ポリープの治療TREATMENT
大きさが1cm以下の場合
胃過形成性ポリープや腺腫(良性の腫瘍)は、サイズが小さければ治療が不要なこともあります。なお、腫瘍は巨大化するものもあるため、こまめに精密検査を受けると良いでしょう。
2cm以上の場合
巨大化した過形成性ポリープや腺腫の一部は、がん化していなくても治療が必要なことが多いです。 ポリペクトミー(内視鏡的ポリープ切除術)によって取り除きますが、場合によっては入院を要することもあります。
※EMR(内視鏡的粘膜切除術)を行うこともあります。
急激に巨大化するものもあるため、しっかりと経過観察を行いましょう。 組織検査でがん細胞が見つかった際には、再度ポリープの周辺組織についても検査する必要があります。 患者様にご理解を頂いた上で、検査や治療を行います。