大腸がんについてABOUT
小腸から肛門に繋がる全長1.5〜2mの腸管のことを大腸と呼び、右下腹部から時計回りに腹部の中を1周して肛門に至ります。小腸内で吸収された残りカスから、電解質や水分を吸収して便を作りだし、便の蓄積・排出を担っています。 大腸がんは、小腸付近の盲腸、結腸と肛門付近の直腸に生じるとされています。結腸の直腸寄りの部分がS字結腸であり、大腸がんの1/3程度は直腸付近、残りはS字結腸付近に生じます。
大腸がんと大腸ポリープの関係性
大腸ポリープには、大腸がんへの進行リスクがあるものとないものに分けられます。進行リスクがないものは、便に接触することによる出血、腸閉塞の恐れがなければ治療は不要です。 大腸がんへの進行リスクがあるものはなるべく早めに切除することをお勧めします。 当院では、大腸ポリープ・早期大腸がんの切除に対応しております。また、大腸カメラ検査の際にそれらの病変が見つかった際には、日帰りで切除ができます。
大腸がんの原因CAUSE
食生活が欧米化することに伴い、大腸がんの発症者数は増加の一途を辿っています。動物性脂肪や高脂肪、タンパク質を過剰に摂取することと、肥満や食物繊維不足によって発症に至るとされています。また、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を患っている方は、発症リスクが高い傾向にあります。自覚症状がない場合でも、定期的に大腸カメラ検査を受けることで早期発見に役立つとされています。
大腸がんの症状SYMPTOMS
初期の大腸がんは無症状なことが多く、人間ドックや便潜血検査などで偶然発見されることが大半です。 進行した大腸がんは、腫瘍のサイズや生じた部位によって症状は様々です。 右側大腸がんは、軽度の腹痛、腹部の違和感が起こる程度で、腫瘍が肥大化してから腹部のしこりが確認されたり、貧血といった症状が起こります。 左側大腸がんは、発症初期に血が混ざった便や血の塊が排出されることがあります。その他、腹痛、細い便が出る、便秘・下痢の頻発、残便感といった症状が起こります。また、治療せずに放置すると、腸閉塞に至るリスクもありますので、注意が必要です。 直腸がんは、左側大腸がんと症状は似ていますが、発症部位が肛門付近のため、出血しても痔と勘違いしてしまい、治療が遅れる恐れがあります。
大腸がんの検査SCREENING
早期大腸がんや前がん病変のポリープを発見するには、大腸カメラ検査が不可欠です。当院では、最先端の内視鏡システムを導入しており、拡大や特殊光、画像処理などを駆使して大腸内部を隅々まで観察します。がん特有の病変や周辺の血管の状態をはっきりと観察することで、微細な病変でも見逃しづらくなっています。また、検査中に疑わしい病変が見つかれば、組織採取を行って確定診断することも可能です。さらに、ポリープはその場で切除することもできます。 当院では、経験豊富な専門医が検査を担当することで、患者様の苦痛を最小限に抑えられるように努めております。また、鎮静剤を使用することで、眠ったような状態で検査に臨んで頂くこともできます。
大腸ポリープ切除
大腸カメラ検査の際に前がん病変となるポリープが見つかれば、その場で切除することでいずれ生じうる大腸がんの発症予防も期待できます。切除のために改めてスケジュール調整して頂くことや入院も不要で、下準備の下剤の服用や食事制限も1度で済みます。検査が終わりましたら、リカバリールームにて30分程度安静にして頂いた後に、検査結果のご説明が終わればお帰り頂いて構いません。
大腸がんの発症を防ぐためにはTREATMENT
がんの1次予防とは、がんを発症しづらくする生活習慣を意識すること、2次予防とは、こまめに検査を受けて早期発見・早期治療を実現することを意味します。 1次予防では、食生活の見直しと禁煙が必要となります。動物性脂肪の摂取量を減らし、野菜を中心にタンパク質も積極的に摂取しましょう。また、肥満によって大腸がんの発症リスクは高まりますので、適度な運動で体重管理をしましょう。 なお、40代以上、ご家族に大腸がんの罹患歴がある方がいる、大腸ポリープがある、潰瘍性大腸炎を患っているといった場合は、要注意です。便通異常、血便、腹痛などの症状が見られる場合、早めに専門医へご相談ください。