大腸ポリープについてABOUT
大腸粘膜に生じる腫瘍を大腸ポリープと呼び、良性腫瘍であることが多いです。なお、大多数を占める腺腫は治療をせずに放っておくと次第にがん化する恐れがあり、前がん病変と呼ばれています。
大腸がんの早期発見には大腸カメラ検査が不可欠であり、検査中にポリープが発見された場合は日帰り切除することが可能で大腸がんの発症を防ぐことにも繋がります。
ポリープの大きさは2mm〜2cm以上と様々で、形状も平坦なものや隆起したものなど多岐に渡ります。当院では経験豊富な専門医が最先端の内視鏡システムを使って検査を行うことで、小さい病変でも容易に発見できます。また、患者様の苦痛を抑えられるよう細心の注意を払っておりますので、ご安心ください。
大腸ポリープのサイズ
ポリープの大きさが5mm〜8mm程度であればがん化する可能性は3%以下と考えられています。なお、20mmを超えるものですとがん化の可能性は約50%まで上昇しますので注意が必要です。
5mm以上のものであれば切除できますので、大きくなる前に発見して適切な治療を受けるようにしましょう。
悪性の大腸ポリープの場合
全ての大腸ポリープにがん細胞が含まれているわけではありませんが、治療せずに放っておくと将来的にがん化するものも存在します。
5mm以下のサイズのものはがん細胞が含まれる可能性が0.6%、6〜9mmのものは7%、10〜19mmのものは24.6%、20mm以上となると35.8%にも及ぶと考えられており、注意が必要です。5mm以上のものであれば切除することをお勧めします。
大腸ポリープの原因CAUSE
ご家族で大腸がんの罹患経験がある方がいる場合、そうでない方よりも大腸がんの発症リスクが2〜3倍になると考えられています。リンチ症候群や家族性大腸腺腫症などは遺伝的要因が発症に関係すると言われていますが、大腸がん全体でそれらは非常に稀です。
その他、日頃の食生活や生活習慣が影響して大腸がんの発症に繋がる恐れがあります。特に、以下に該当する50代以上の方は要注意です。
- カロリーが高い食事をよくしている
- 肥満体型
- 飲酒喫煙の習慣がある
予防のためには食事療法と運動療法が効果的です。
普段摂取する脂肪量を減らし、果物、野菜、食物繊維が多く含まれる食品を積極的に摂取し栄養バランスに気を付けましょう。また、日頃から適度な運動を継続的に行いましょう。
大腸ポリープ日帰り切除手術
大腸カメラ検査ではその場で見つかった病変を切除できるため、1度で検査と治療を行うことができます。採取した組織で病理検査を行い確定診断に役立ちます。大腸ポリープ切除で入院は不要です。
切除の所要時間は5〜10分程度と短く、事前に食事制限や下剤の服用といった準備を何度も行う必要もありません。
なお、ポリープのサイズや数の問題で入院や別日の手術をお願いすることもあり、連携先の総合病院をご紹介します。
ポリペクトミー
スコープの先端部についたスネアというワイヤーをポリープにかけて、高周波電流を流して切除します。電気を流すので通電メスのように出血防止も同時に行えます。なお、周辺組織に熱が伝播するため、術後に出血、炎症、穿孔などの合併症が起こる恐れがあるため注意が必要です。
コールドポリペクトミー
高周波電流は使わずにポリープをスネアで締め上げて取り除きます。切除してすぐは出血することもありますが、間もなくして出血は止まります。また、周辺組織への影響が少ないため術後の合併症の恐れも抑えられます。
内視鏡的粘膜切除術
スネアが付けられないような平べったいポリープに対して実施します。粘膜下層に生理食塩水を流し込んでポリープを浮き上がらせることでスネアを取り付け、高周波電流を流して取り除きます。生理食塩水のおかげで電流を流しても周辺組織への影響が少ないというメリットがあります。
全周切開内視鏡的粘膜切除術
スネアを付けられない平べったく20mmくらいのサイズのポリープに対して実施します。粘膜下層に生理食塩水を流し込んでポリープを浮き上がらせた後、スネアの先っぽを2mm程度シースから出し、ポリープにスネアを付けやすくするためにESD(Endoscopic submucosal dissection:内視鏡的粘膜下層剥離術)の要領でポリープを切開します。生理食塩水を追加で流し込んでスネアを取り付け、高周波電流を流して切除します。全周切開内視鏡的粘膜切除術では、一度の手術でほぼ全てのポリープを取りきることができ、創部は比較的大きくなるのでクリップを用いて閉じます。
大腸ポリープ切除後に守って頂きたいこと
日帰りの手術ではありますが、大腸ポリープ切除を行うため、術後の合併症には注意が必要です。合併症として出血、穿孔などが起こりやすいですが、その他下記事項も含め術後1週間程度は食事や生活に制限を設けて頂くことで、合併症の予防に繋がります。
アルコール
飲酒によって血流が活発になるため、術後1週間程度は飲酒をお控えください。ノンアルコールビールなどは問題ございません。
食事
切除当日は消化に良いものを摂取してください。辛いもの、熱いものなど刺激が強いものはお控えください。当院ではご負担が少ない検査食もご用意できますので、ご希望の方はご相談ください
入浴
軽めのシャワー浴は当日でも問題ありませんが、入浴は翌日からでお願いします。
旅行や出張、長時間移動
出張、旅行、長距離の運転、飛行機移動については術後1週間程度控えて頂きます。そのため、検査日を調整する際は、遠隔地への移動も考慮して設定してください。
仕事や家事
腹部に力が入るような仕事は術後1週間程度控えて頂きますが、軽めの家事やデスクワークは問題ございません。
腹痛・血便・発熱があった場合
速やかに当院までご相談ください。なお、当院の休診日や診療時間外に起こった場合は、夜間・休日診療に対応している近隣の医療機関へご相談ください。
40代を迎えたら大腸カメラ検査を受けることをお勧めします
昨今、大腸がんの発症者数は増加傾向にあり、男女問わず死亡者数も増加しています。しかし、早期に大腸がんや前がん病変のポリープを発見できれば切除することが可能です。 患者様の健やかな生活やQOLを保つために、無症状の場合でもこまめに大腸カメラ検査を受けて大腸がんの早期発見を目指していきましょう。
大腸ポリープ切除の費用PRICE
1割負担 | 3割負担 | |
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大腸ポリープ切除 | 約8,000円 | 約20,000~30,000円 |