アニサキスとはABOUT
生もしくはしっかりと加熱していない状態で魚介類を食べた際に、胃に激痛が生じるときアニサキスの疑いがあります。アニサキスは肉眼で見られるくらいの全長2〜3cmくらいで半透明の糸くずのような形の寄生虫です。近年では、新鮮な魚介類を輸送する冷蔵技術が進歩してきたことにより、アニサキスが増加している傾向にあります。
アニサキス食べてしまったら…TYPE
アニサキスを食べてしまったら、下記のような症状が現れるとされています。下記のような症状が見られましたらお早めに当院までご相談ください。
胃アニサキス
アニサキスの大半は、この胃アニサキスとされています。アニサキスが寄生した魚介類を食べてから数時間程度立って胃に激痛が生じます。また、蕁麻疹や発熱といったアレルギー症状が起こる恐れもあります。
腸アニサキス
腹痛、吐き気、嘔吐といった症状が起こります。アニサキスが寄生した魚介類を摂取してから半日〜数日程度経って症状が起こるため、アニサキスによる症状と分からない方もいらっしゃいます。なお、腸穿孔や腸閉塞によって腹膜炎が起こる恐れもありますので、注意が必要です。
消化管外アニサキス
体内に入り込んだアニサキスが消化管を破って動きます。到達した場所によっては専門的な治療を要することもありますが、そもそも発症すること自体が珍しいと言われています。
アニサキスアレルギー
アニサキスアレルギーを持っている方は、生食以外にも死亡したアニサキスやアニサキスが除去された魚介類を摂取することでもアレルギー症状が起こる恐れがあります。したがって、しっかりと加熱した魚介類でもアニサキスが寄生している疑いがあるものはなるべく摂取しないようにすると良いでしょう。
アニサキスの検査EXAMINATION
アニサキス感染の疑いがある場合、まずは胃カメラ検査を実施し、アニサキスを取り除きましょう。胃から小腸へアニサキスが移動している疑いがある場合、X線検査、超音波検査、血液検査によって確認します。なお、胃から移動したアニサキスを見つけることは難しいと言われています。
アニサキスの治療TREATMENT
胃カメラ検査の際にアニサキスが発見されればその場で除去することが可能であり、除去して間もなく症状は落ち着きます。胃カメラ検査で除去できない場合は、薬物療法によって症状を抑制し、アニサキスが死滅するまで経過観察します。なお、現時点でアニサキスを除去できる薬はまだ開発されていません。
アニサキス加熱・冷凍すれば食べても大丈夫?PREVENTION
魚介類を生で摂取することは非常に危険ですので、予防のためにマイナス20度以下で24時間以上冷凍する、もしくは60度以上で1分以上加熱することで、アニサキスを殺すことが重要です。また、アニサキスは全長2〜3cm程度のものですので、調理や食事の際に混入していないか確認するようにしましょう。魚介類の内臓に寄生したアニサキスはやがて筋肉に達します。刺身用の新鮮な魚介類であれば、下処理で内臓を取り除くことでアニサキスの予防に繋がります。